2010年01月28日

前々号へのお便り

前々号で記録映画「いのちの作法」~沢内「生命行政」を継ぐ者たち~を見ての「しお風のつぶやき」を発信したところ次のお便りをいただきました。
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Sさんから
「いつも通信をありがとうございます。いのちの作法のダイジェストありがとうございました。沢内村のことだったのですね。とても印象に残っている村ですので知っていることをお伝えします。(ご存じかも知れませんが)

私は環境のことに関わっています。今から10年ほど前、今は知られてきているペレットが日本の林業の救世主かもしれないと情報収集に飛び回っていました。岩手県が県ぐるみで森林バイオマスに取り組んでいたので岩手県内の実例視察に出向いた中に沢内村がありました。

製紙用のチップが輸入物に負けてきていたため、チップの使い道としてチップボイラーを考え、導入した施設(雪国文化研究所)が沢内村にあったのです。雪国文化研究所はユニークな取り組みをしているところで、本業の他に谷に雪をため込み、夏にその雪を利用して祭りのビールを冷やしたり、人力扇風機にいれて、在宅高齢者に冷気の配達をしていました。

他の施設が盛岡周辺であったのに、延々と車を走らせたへんぴなところでどうしてまだ日本に知られて間もないボイラーを取り入れたりする土壌があるのだろうかと疑問が生じ、館長さんに尋ねました。

すると、『私は山奥(研究所よりはるか奥)の炭焼き小屋で生まれました。私の出生届は1年後です。生まれてくる子供は次々となくなるので、ここではこの子は生きそうだとという目処が立たないと出生届は出されませんでした。

それほど貧しい辺境の地でしたから、県内の思想犯、政治犯の流人地だった。彼らのおかげです。彼らが知識を伝えてくれたんです。』とのことでした。
沢内村からの帰路、人家を見つけては道を訊ねたことを思い出しました。」
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記録映画「いのちの作法」を見たことを発信したことで、さらに情報をいただけてうれしい限りです。偏見で排除しないで良いものをどんどん吸収していく風土。そして、自分の町の魅力を掘り起こし伝えて行く風土。それが町の作法なっているなんて素晴らしいですね。「しお風」も風のように、目に見えなくても感じられる存在でありたいと思います。

効率性や利便性を追求するあまりに、忘れられそうな町の中の魅力を掘り起こして、伝えていきたいと思います。力不足で一人よがりと思われてしまうこともあります。でも、私が素敵と素直に思うものを大切にしていきたいし、それをみなさんと共有できたらと思います。
icon06二宮駅の近くにある正泉寺跡地の林
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